2005.08.25…世界を二人で閉鎖するよりも世界中に二人で愛されることを望む二人の話

31.君だけを

「君だけを特別とする
 君だけを愛したくて
 君だけを傍に置いておきたい」

そんな言葉で捕まえようとすればするほど
君だけじゃ足りないことに気がつく
君だけじゃ 絶対的不足があるんだ

君だけを見るばかりに
君が見てくれている 僕 を忘れた

君だけを愛して
君が愛してくれている僕を 蔑(ないがし)ろにする

君だけを 愛そうと思って目指し始めたら
全て抱えていかなきゃ辿りつけないことに気がついた

なんて遠い道のりだろう

「君だけを大事にしたいのに
 僕自身も 君のご両親も 君の友達もやっぱり大事なんだ」

僕がそう言った後の 君の笑顔が
絶対的不足を補った気がしたのはなんでだろう

そうしてその笑顔を見ては
いつも君だけを特別に愛したくなるんだ

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