赦しを乞うためにさしだされる山羊が鳴いている
メェーメェー

村には貴重な山羊の血をもってして何かを雪ぐ
その黒いつぶらな瞳に祝福あれ
メェーメェー

「山羊さん山羊さん　何か悪いことをしたの？」と少女
メェーメェー（なにも　なにもしていません）とヤギ

最後の夜に
少女は悲しむ山羊にきれいな絵を描いてあげた
メェーメェー

夜中の儀式
祭壇の上のスケイブゴート
絵が突然光り輝いて　山羊の鎖は解けて消えた

無実を主張する　無実を主張する
山羊はメェメェ泣きながら　きれいな絵をもって逃げる

矢が飛んできても　あたらない
屈強な男どもでもするりと　つかめない

こんこんという音に扉を開ける
きぃぃ　と開けば少女のもとに　エスケイプゴート

山羊はその一生を少女の下で過ごし
少女に貴重なミルクを与え続けた