2006.10.20---そうして拒絶される

80.正しい街

清廉潔白 何一つ間違いなんてない
ガラス窓に映る虚像さえも おそらくは間違っていない

全てが正しい街
なのに どこか肌寒く 心が冷えるのはなぜだろう
カラスがゴミ袋を漁り 野良猫が野垂れ死んでいる
段ボールを片手に寝床にし カビの生えたパンを食す
それらの光景を ただの背景とみなし 足早に過ぎ去る

ここは全てが正しいはずの街
なにかがおかしいと思う自分が間違っているんだろう
切符を片手にこの街を去る
全てが正しい街だから 正しくない自分には相応しくなかった

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