2006.10.20---大切な人がいなくなったら こんなに強く在れるだろうか 無理かもしれない

87.白昼夢

光の幻影 逃げ水のように
悪い夢でも見てたんじゃないか
死んだはずのあなたがそこに居るなど 玄関に佇むなど

色の投影 虹のように
昼間から夢でも見てたんじゃないか
死んだはずのあなたがこうも語りかけるなど 心を叩くなど

笑っているのは誰のため 何のため
実体も温度も持たないあなたは 誰のため 何のため
佇む幻が愛しかった 語りかける影が眩しかった

あなたが生きていたらという 白昼夢に襲われる
私はあなたとめぐり合った重荷を背に ただただ歩く
その重荷が何と愛しいことだろうか どれほどまでに生きる糧だろうか

光の幻影 逃げ水のように 色の投影 虹のように
あなたが生きているかのような白昼夢
それはひどく悪い夢 ひどく哀しい愛
重い荷を背負い あなたとめぐり合えた歓びを胸に あなたと死に別れた悲しみを心に

脳天がとろけるような白昼夢 あなたには二度と会えないけれど
この両手に あなたとの全てを背負って 嘆きながら昼間に夢を見るわ
そして ただ悲しさに圧し潰されながら 夢を永遠に放棄してあなたを背負い歩くわ

BACK-- NEXT-- テキストメニュー-- SolemnAir-home