螺旋状の段をあがる
知り尽くしたいの　舐めまわすように
その構造から　その配列から　確かめる
見尽くしたいの　追い回すように

螺旋階段を一歩あがれば
それはシンプルでいて　非常に複雑な仕組み
四種類の獣が走り回り　それらを三人の貴族が治め　王様がいる

二本の螺旋棒がはしごを持たせて段を作る
誰かになにかをそのまま受け渡すために
二本の螺旋は逆を描いて触れ合わない

四種類の獣　きちんと住処に帰りなさい
三人の貴族は誰が欠けても成り立たない
王様はただ　座るだけ

螺旋階段はどこまでも続く
段を下がってみても　23個の分岐点以外の逃げ道もない
どこまでもどこまでも

ただ座るだけの王様の中を知り尽くしたいの
だから　螺旋階段を上り下り　一つ一つを確かめる
急いで急いで　光りの速さよりも早くしなくちゃ
知り尽くしたいの　見尽くしたいの

どこまでも続く螺旋階段
その構造を見ても　配列を見ても
きっとあなたの心なんて一つもわからない
四種類の獣じゃなくて　三人の貴族じゃなくて
私は　王様？　あなたの心が知りたくて螺旋階段を駆け巡っているの