2007.01.09---二回否定すると肯定になる、マイナス同士でかけるとプラスになることに安心します

91.虚無

じぃっと目を瞑り しぃんと音をきく
ぎゅっと手を握り じぃんと心を研ぐ
そぅっと目を開き ほぅっと息をつく
すぅっと手を合せ ぴぃんと背をひく

脈打つものは息吹き 回るものはめぐり
思想ははかなき幻 夢追い人は旅人
己が己である確証などどこにも見当たらなくて
行き場も立場も見失い 投げかける 己は誰なのかと

けれど何も無かったことなんて 一度もきっと無かった
虚ろで何も無い ことなど空ろで
脈を止めた世界など めぐらぬ世界など 無かった
目を瞑り音をきく 手を握り心を研ぐ
がらんどうの己を内で探してみる
内には見当たらずに そうね息吹き めぐる中に 私がいるかもしれない
だから
目を開き息をつく 手を合せ背をひく
何かを見るために 虚ろなど見えぬ 「何も無い」ものなど見えぬ見えぬ

ただ今 私の目には己は見えないが あなたの笑顔が見える
虚ろであることさえ無かった ならば虚無は存在に代わるのだろう

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